葉っぱが蛙に見えた

 百反通りの歩道を歩いていたら、前に長髪を縛った男が歩いているのが見えた。男が立ち止まった。薬屋の猫のところ。このままでは男に追いついてしまう。もし私の接近に気付いたら男は猫とのふれあいを中断してしまうだろうと思い、歩くペースを落とした。男が猫を撫で始めた。私はガードレールを跨いで道を渡り、反対側の歩道を歩いた。男と猫の蜜月を邪魔する事などとても。
 部屋のドアを開けると同時にヤモリ侵入。既に尻尾が無かった。数分の格闘の末、屋外に放出。