からす二篇

 何週か前の事。ある民家の塀の側に、倒れた仔猫と、その脇に立った子烏がいた。猫の首筋の赤いものは血だったのだろうが、もしかしたらリボンかもしれない。そう思わせたのはその民家のつくり。
 同じ日。オシャレな装飾品店の敷地にある木の枝の中に、烏避けの大目玉があった。台無しだったが、私としてはこれで大正解なのである。