蝦蟇拳法

 水の入ったタンクの上に山の猫がいた。タンクの下にナウー(腹ボテ)がいた。
 用があってその場から離れ、しばらくして戻ってみると、半身が濡れている山の猫が、ナウー(腹ボテ)に組み伏せられていた。
 山の猫は、腹を足で押さえつけられながらも、耳を丸め、黒目を広げ、牙を剥いて、盛んに威嚇をしていた。脱糞しながら。
 ナウー(腹ボテ)についた種の主が山の猫だったら世の中面白い、が、たぶん違うだろう。