殺しのテクニック

 仕事場の事務所には、とんでもない数の蝿がいるのだが、最近、その対策としてか、粘着シート的なものが天井からぶら提げてある。
 大量の蝿がシートに付着している。虻のような昆虫の姿も見える。よく見ると、粘着シートに完全に張り付いて、殆ど平に潰れてしまっている蝿が見える。余程強力な粘着力を持っていたとしても、肉の厚みを無くしてしまうほど潰れるなどという事が有り得るのだろうか?粘着力が全身にまで浸透しているのか?内蔵まで粘着しているのか?その蝿を真横から見ても、全く厚みが感じられない。
 よく見ると、絵だった。サクラだった。