キチガイガイ・ガモエ

 土曜日
仕事を終え、東京へ。
道中、信号は赤信号。出発前に食べた筍のキムチが美味であったので、その味の記憶を反芻していた。筍の食感と唐辛子の辛さと風味。
「つーか、やわらぎじゃん!」
オカマを掘られたのだろうか。直ぐ前に停車している車の後ろが随分歪んでいた。
「つーか、ボコボコじゃん!」
私の車の窓が全開だった事に気が付いた。周囲を見渡すも、人影は見えず。きっと大丈夫。
やがてオウチに到着。オウチの人やお客さんなどで中がギッシリ詰まっていた。二人の人間に挟まれ、川の字になって就寝。
 日曜日
車で大阪へ。先ずは集合場所の向ヶ丘遊園に。余裕を持って1時間前に出発。混む道路。意外と遠い道程。そして10分の遅刻。顔には苦笑、心で土下座。
東名高速の某パーキングで、大量のスポーツカーの集団と遭遇。大量のバイクの集団もいた。一瞬で私の車を追い抜く、矢鱈と車高の低い車達。
少しして、事故による渋滞で30分程足止め。先程の車高の低い車達かと期待したが、そうではないようだった。
やがて大阪着。SWARRRMのレコ発ライブ。対バンがCORRUPTED、MORTALIZEDにDIE YOU BASTARD!という具合。色々な意味で疲れた。
ライブの合間に、十三の町を散策。小学生なども歩いている普通の町なのだが(風俗店だらけではあるが)、どことなく異世界感があって、緊張した。
ライブ後、店内で流れていた西部劇を眺めていたら、結局スタッフロールまで観てしまった。『INTO THE WEST』。しかもエピソード1に過ぎなかったらしく、まだ続くらしい。後で調べたところ、全6話、計12時間のテレビシリーズなのだとか。スピルバーグ氏製作総指揮。
日が変わる頃、東京へ出発。
 月曜日
夜の高速道路は恐ろしいものである。やがて運転を代わって貰い、今では記憶が失われてしまった当時の夢の中へ。
早朝、東京着。しかし、道が異常(通常通りなのだろうが、事情を知らない人間として、こう書かせて頂く)な混みを見せ、全ての人間達が解散し切るのに数時間を要した。途中、某著名人のお宅を外側から拝見。携帯電話のカメラを用いて、家の壁を接写した。
オウチに到達した頃には、日は高いところから照っていた。私の横を追い越していく救急車。そしてオウチの直ぐ近くの十字路にひしゃげた自転車が。
私とほぼ入れ替わりで家人1が出勤。家人2は既に出ているらしい。オウチには私と、土曜から留まり続けている30代(半裸で無職)が残された。
二人でぐだりぐだりとしていると、OL1(家人2)とOL2が現れた。気付くとOL2が、私がつけっ放しにしていた格闘ゲームに興じており、謎の玉を発生させる技を修得していた。そこで私は、逆波動拳(竜巻)で別の技が出る事を教授した。「アイアンセイバー」の出し方を。「アイアンセイバー」は下段攻撃なので割と良く当たる。
やがてOL1とOL2が去っていったので、再び30代(半裸で無職)とぐだりぐだり。
すると、無性にCDやらを買いたい衝動に駆られ、30代(半裸で無職)を一人オウチに残し、新宿へ。そこでCDとDVDを大量に購入。
物欲が満たされたところで、帰宅。一人きりで寂しい思いをしてしまったであろう30代(半裸で無職)に対する詫びの意味を込めてアイスとコーラを購入したのだが、30代(半裸で無職)は自慰行為に耽ろうかと思っていたところらしく、行為に水を差してしまった詫びの意味を込めてアイスとコーラを贈った。
やがて家人2(OL1)が保育園に行っていた家人3を連れて帰宅。そして八つ橋風のパンを食べ、再び去っていった。
私と30代(半裸で無職)と家人3でぐだりぐだりとしているうちにお腹が減ってきたので、ピザとコーラで夕飯1。やがて家人1と家人2も帰宅し、焼肉とコーラで夕飯2。ちなみにぐだりぐだりの部分は常にお菓子が。ズボンの上の肉養成所かと思った。ズボンが可哀想だ。
そのうち群馬の家に帰る時間も押し迫ってきたが、『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』を放送していたので、つい最後まで観てしまった。
連休の締め括りとして、家人2(OL1)を車に乗せ、ネオン眩しい夜の街のドライブと洒落込んだ。30秒程。
帰りの道中、何度か死にかけたと思うのだが、まるで危機感を感じなかったあたりに恐怖を感じる。寝るなら乗るな。死ぬから寝るな。
 火曜日
出勤の道中、何度か死にかけたと思うのだが、まるで危機感を感じなかったあたりに恐怖を感じる。乗るなら寝るな。死ぬから寝るな。
私は蛾など絶滅したら良いと思う事もある程の蛾嫌いなのだが、今日の水撒き作業中、それを失念するほどに可愛い蛾を発見した。丸っこい体つきにフワフワの毛。目も愛らしい。羽はキモイが。
床に落ちていたので、拾って高いところに置いた。こういう蛾が蛾のオーソドックスな姿ならば良い世界なのに、と思いながら作業を続行していたら、その蛾の姿が消えていた。もしかしてあの蛾は妖精さんとかだったのだろうか?と一瞬考えたが、高いところから落ちたところを水で流してしまったのが正解だろう。実につまらない想像で楽しい妄想を上書きしてしまい、嫌になった。
余談だが、『マジンカイザー』の劇中で、ビューナスAが鎌で手足を切断されるシーンが流れた時、誰かが「エロい!」と言い、「確かに」と思った。殺鼠剤を食べて死にかけているピョンピョン跳ねる鼠を見て、可愛いと思った。
ダルマにされたビューナスAはエロいし、跳ねる鼠は可愛い。
ビューナスAは手足を切断されたかったわけではないだろう。涙を流して嫌がったわけでもないが。ロボットだから。マシーンだから。炎ジュンが代弁者なのだろうが。炎ジュンは泣いていたが。でもエロい。
ビューナスAと鼠の境遇が似ているなあ、という勘違いの話。
 
 私信
あと一時間で書き上げると言ったのに、一時間半以上かかってしまい、申し訳ありませんでした。