光の速さで爆薬をセット

 灼熱。クーラーの効いた部屋で祖父が言うには、焼夷弾が落ちてくる音はザーッというらしい。雨が降るような音だという。焼夷弾が風を切る音だという。焼夷弾が撒かれる前の照明弾がとても明るかったという。 
 親戚が連れてきた座敷犬が駆け回り、その親戚が、持参した機器を用いてのカラオケ熱唱、という所謂一つの混沌。昼から酒を飲み、昼から酒を飲んでいる叔父が初対面の姉の友人とタメ口で会話したり、という混沌。
 夜の寝室も実に灼熱。