断章

 鯨の様な、蜥蜴の様な、巨大な水棲生物と、海の様な、プールの様な場所で格闘していた。ここぞ!という場所で、取っておきの技であるゴッドフィンガーを使用するも、止めを刺せず。やがてうやむやの内に倒していた。
 そして何かが爆ぜた。セイラ(本名、アルテイシア)さんの指摘で、自分の股間を見やると、そこにはトランクス一丁の下半身があったのだが、その中身、赤くドロリとしたものが弾けたような跡がトランクスの内側にびっしりと。恐る恐る陰嚢に手をやってみると、ちゃんとした感触が。安堵。恐らく、弾けたあとに再生したのだろう。
 ここは海。女頭領の率いる海賊達の船が桟橋から流れていってしまいそうになるのをなんとか繋いだり。浜辺から階段を上り、道路脇を歩いていると、携帯電話に着信があった。舞踏仲間のAさんからだった。同じく舞踏仲間であるBさんとCさんがどうしているかと聞いてきたので、彼らがどうしていたのかを思い出そうと試みた。確か、海の沖の方に泳いでいって、そのまま帰ってこなかった。
 崖の上にある食堂兼土産物屋。そこで、同僚のDさんとEさんと共にうどんを食べた。50代と思しき女性店員からうどん代の釣銭を受け取る。小銭が沢山。Eさんに支払う予定の出張費用が足りなかったので、この小銭で賄えるだろうと思った。
 ある女性客が、財布を床に落としていた。その女性客の姿が見えなかったので、女性店員がそれを拾い、壁にかけてあった女性客のコートの中に仕舞い込んだ。女性店員と女性客、恐らく二度は会う事は無いだろう。そんな関係なのに、忘れ物でもしたら大変だ、と女性店員は言った。私は、客の側ならば、また会いたいと思えばいつでも来られる、と女性店員に言った。言って、何か私がこの女性店員に対して暗にまた会いたいと言っているように誤解されそうな気がする、と思った。見ると、女性店員が少し恥ずかしそうにしている。50代と思しき女性店員が。店を去った私は、お互いの顔が見えなくなるまで笑顔で手を振り続けた。
 やがて女性店員の顔は見えなくなり、食堂のある崖の上の公園を歩き始めた私。私の先には某株式会社の社員4人が歩いている(その内の1人は沖から帰ってこなかったはずの舞踏仲間のBさん)。彼らは前方にある公衆便所に向かって駆け出した!私も駆けた!
 目覚ましで目が覚めた午前6時。いつになく寝起きがいい。いつもならば数分はベッドで粘るところだが、今朝はスッと床に立つ事ができた。脳が覚醒するには、起床から数時間を必要とするという。夢が脳のエンジンを温めておいてくれたのだろうか。
 階段を下りると、食卓の上に、ピザまん、苺、林檎、が用意してあった。蒸し器にかけられたピザまんはとても熱く、食べるのに時間を要した。数分の早起き。しかし出勤時間はいつもと変わらず。あの夢は、ピザまんを食べさせる為に見せたものかもしれない。一体誰が?
 私ももう直ぐ25歳になる。夢の中で50代の食堂のおばちゃんをトキメかせている場合ではない。しかも夢とはいえ、全て私自身の妄想の産物なのだ(もちろん、ドリームランドで起こった実際の出来事である可能性も否定はできないのだが…)。死にたかった。いや、生きるのだ。
 通勤中、餌のタンクに餌を補給する為の特殊車両を見た。昨日仕事場で見た時に思ったのだが、この車両、大砲タイプの装備を積んだ野バスを想起させる。タンクに餌を送り込む為の管(野バスで言えば大砲)が動く様は、かつての列車砲の雄姿とはこのようであったのではないかと思わせる程の迫力をも有するのだ。
 夜、腹を冷やして、下痢をした。全く、下痢便を我慢してトイレを急ぐ自分の姿ときたら、情けない。