キキー!ガシャーン!

 今ではサンルーフになったドアを開き、外へ。ドアの重さに地球の重さを感じる。
 アスファルトの上に降り立った私は、周りが杉林になっている事に気が付いた。せっかく花粉症の症状も収まってきているというのに、これではたまらない。
 とりあえず落ち着こうと、手に提げた弁当袋を開け、中から三ツ矢サイダーを取り出し、タブを起こした。
「参ったなぁ…」
 私は横転したワゴン車のフロントガラスにもたれかかりながらサイダーを口にすると、気持ちの良い痛みが喉を過ぎるのを幸せに感じた。