純情DARKNESS

 『METAL PEOPLE in ANOTHER DIMENSION〜アンダルシア死闘篇〜』
 9月20日、土曜日
ゆっくり起きて朝7時半。それでも出発の時刻までは遠い。だが、その余裕があだとなり、結局はバタバタと家を出るはめに。荷造りも適当である。
駅。キヨスクが廃され、新たにコンビニエンスストアが置かれた構内。ビールの一本でも仕入れておきたいところだったが、その時間も無い。いや、あったのだろうか。
電車内には、物を置いて席を確保する青年の姿。物を退かしてもらえまいかという他の乗客に対して申し訳なさそうにしていた。彼が待っているのは同世代の友人と想像していたのだが、やがてその席に座ったのは若い娘1人に中年の男女、それから初老の男だった。どういう関係の人々なのかは分からないが、青年は娘と嬉しそうに恥ずかしそうに話をしていた。
やがて辿り着いたのは東京、大山。鏡張り天井氏と待ち合わせてペイン(縦笛を吹く等の意)しようという話。多少擦れ違いがありつつも無事合流を果たし、先ずは腹ごしらえをしようという事で、餃子屋に入店。丁度お昼時である。
ビールと餃子。炒飯や春巻きも美味しく頂く。話をしてみれば、なんと先程までなべつちが彼の家に居たという。代々木公園で大学時代在籍したサークルの集まりがあるそうで、午後はそこに向かうとの事。天井氏も、どうもペインする気分ではないというので、計画変更。そのサークルの適当な女の子を捉まえてグラインドコアバンドを結成させてプロデュースしようという話になり、我々も代々木公園に向かう事となった。
腹ごなしに、少し遠目の駅を目標に設定して歩く事にした。別に急いでいるわけではないのだ。その道中、懐かしい街並みに差し掛かる。5年ほど前に来た場所。あの頃の自分に今の自分を見せてやりたいものだ。
副都心線で神宮前へ。なべつちのサークルはF○Cという名で、実は彼が創設者である。しかし彼は、現行のFD○メンバーには殆ど存在を認知されていない。今日も誘われたから行くわけではないそうである。
原宿駅前にて合流。酒を買い込み、なべつちが数少ないサークルの知人に電話をかけた。彼らは代々木公園には、居ないという。相手の冷ややかな応対、電話越しに聞こえるボウリングの音。我々は代々木公園に向かった。
ベンチに腰を下ろし、杯を重ねる。ここにはお菓子もメタルの話もジョギングする白人もある。それは、向こう側にはきっと無いものだ。
我々三人は、夜にそれぞれ別の予定を控えていた。しかしまだ時間はあるので、新宿あたりで呑み直そうとまとまった。
公園を出てすぐに目に付いたのは代々木競技場で行われているイベントである。どうやらゴスペラーズ鈴木雅之のライブがあるらしい。別に興味があるわけでもない。物販だけ軽く冷やかし、そこを後にした。
代々木駅周辺。カラオケでも、という話になり、1時間だけという事にして入店。結局延長。脱ぎ出すなべつち。
この時点でそれなりの飲酒量だったのだろう。店から出た後、急激な吐き気を催し、だが直ぐに回復した。まだまだこれからが本番である。
一人で辿り着いたのは、新宿ANTIKNOCK「マシリトワンマンライブ」。あまり記憶が定かではないが、開演前には到着し、ビールを持って前の方へ。知った顔もちらほら見える。
肝心のライブ。あまり記憶が定かではないが、20数曲。手に持っていたビールが少し前に居た方にかかってしまった気がする。後で謝ろうと思ったが、結局言いそびれてしまった。ライブが終わった時は尿意が限界に達し、トイレに走っていたからだ。申し訳ない事をした。
ライブ後にはなんとサイン会。知人と会話しながらビールをおかわりしている間に列がだいたい消えていたので、私も一筆入れて貰った。私はMETAL PEOPLEと認知されているらしい。確かにそうだが。
ANTIKNOCK内での打ち上げ。会話相手や会話内容、断片的にしか覚えていないが、どうやら楽しかったのだろう。テーブルの上に並べられた食べ物や飲み物について全く覚えていないのは、人に目が向いていたからだと解釈すると美しい。
会場を移し、人を半減させながら二次会。新宿の居酒屋の二階だと記憶している。その一角がVALLEY OF THE KINGSと化し、顔を蹴られた地球も怒り出す始末。まさにCOSMIC CHAOSといった様相であった。そんな中、私はピザを切り分けた。
ふと気が付くと、四人がけのテーブルに一人で座っていた。先程まで寝ていたのか起きていたのかも分からない。五つ程あった卓で、賑わっているのは一つだけ。多くは帰り、または力尽きて眠っていた。
それから程なくして閉店となった。時間は、午前4時。いつの間にか日が変わっていた、どころか、もう朝である。
 9月21日、日曜日
ギャラクシアンエクスプロージョンではない方のギターの人と共にタクシーに乗り込み、東京都23区外へ。そのまま家に転がり込んだ。最寄のコンビニが酒を置いていなかったのが残念だが、到着と同時に力尽きたので、残念がる必要も無いといえば無いかもしれない。
正午、少し前に起床。今日の予定は特に無いというので、とりあえず酒を買いに近くのスーパーへ。帰りは怖い、というが、行きの小雨が大雨に。ずぶ濡れTシャツを干し、ROCKY & THE SWEDENTシャツを借りた。しかもオレンジ色。下は緩い短パン。
ジャーマンポテトとソーセージが渾然一体となったジャーマンセット(ダークネス!)を肴にビールを飲みつつ、THE BLACK MAGESのDVD等を鑑賞。植松伸夫はいい曲を作らなければただの浮かれたおっさんだが、いい曲を作るのでただの浮かれたおっさんではない。ドラクゥはいい声。
その後はスト2やったりロープレのエンディング見たりメロデス聴いたりGAMMARAY聴いたりといった具合。
そろそろ終電も近付いてきたので、締めとしてポン刀抱えながら『仁義なき戦い』を鑑賞。ダーティな田中邦衛は新鮮で、菅原文太はいちいちかっこいい。
終電車にはなんとか滑り込んで。
 9月22日、月曜日
こういう日の仕事は辛い。とはいえ、体調はそこまで悪くない。
この日は会議。欠席者が出たので、その弁当を持ち帰り、食べた。とんかつばかりこんなに食べていたら太ってしまう。私は30回だけ腹筋をしてみた。
 9月23日、火曜日
仕事から帰ると、親戚夫婦が来ていた。最近足の悪い旦那さんが帰り際に語る。
「まあ頑張りましょう。…頑張るっていうのは難しいよね。昔頑張ってって言われたから、頑張るって何です?って訊いたら怒られてね。そういうおばさんがいてね」
姉が駅に着くというので迎えの車を出した。
 9月24日、水曜日
日記を書く事で、あった出来事を過去のものとして、明日へ向き直る事ができる。
夕飯はカレー。
 完