女闘

 生まれて日も浅い子豚同士が喧嘩をしていた。大柄なものと小柄なもの。
 小柄な方は狭い場所でも小回りが利き、盛んに相手の横を突いていた。動きも素早い。体勢が低いので、顎の下から相手を持ち上げる事も容易。豚は上げる力が強く、下げる力が弱いのだ。
 大柄な方は流石に力が強く、正面からのぶつかり合いでは一方的である。たまに頭を相手の下に入れた時などは、力強く相手を吹き飛ばして鉄柵に打ち付けていた。
 よく見ると、大柄な方は雄、小柄な方は雌であった。
 しばらく闘いを見守っていると、雌がお母さんのおっぱいに興味を移して終了。雄もお母さんのおっぱいへ。お母さんは子供達の乳離れが済んだら廃用となる。ピギー。
 そんな感じで小屋を回っていると、寝そべる親豚の背中にちょこんと鼠が座っているのが見えた。薬にやられてボロボロの鼠だったが、あまりの愛らしさに心が和んだ。尻尾をつまんで窓からポイ!