虚空から

何も無い空からマヨネーズの空き容器が降ってきた。ガラクタが詰め込まれた建物の軒先で、おじいさんが道路にはみ出しながら鉄板を加工していた。中学校の敷地内からカバンが飛び出してきたかと思うと、男子中学生が内側から柵をよじ登って道路に降り立ち、カバンを掴んで全力で駆けていった。
平和な感じがする。しかし本当に平和な世の中だといえるのだろうか。
あのマヨネーズの容器は強盗に入られた家人の助けを求める信号だったのかもしれないし、おじいさんが加工していた鉄板は巨大ロボットの部品でいつかそれに乗って暴れようと画策しているのかもしれないし、男子中学生は妖怪に追われていたのかもしれない。
危険な感じがする世の中である。妖怪とか出てきてもいいように備えておこう。先ずはあらゆる状況を想定してイメージトレーニング。